- 第1回:ミトコンドリアとは?細胞との関係をわかりやすく解説
- 第2回:老化とミトコンドリアの深い関係
- 第3回:ATPとは?エネルギー産生の仕組み
- 第4回前半:ミトコンドリアを増やす方法(運動・食事・睡眠)
- 第4回後半:ミトコンドリアを増やす方法(運動・食事・睡眠)
- 第5回:PQQ・NMN・コエンザイムQ10を比較
- 第6回:マイトルビン®とは?研究内容を紹介
- 第7回:健康寿命を延ばすために今日からできること
ミトコンドリアとは?細胞との関係をわかりやすく解説|健康や美容に欠かせない「細胞の発電所」
はじめに
近年、「ミトコンドリア」という言葉をテレビや雑誌、健康情報サイトなどで目にする機会が増えています。
「ミトコンドリアを活性化すると健康に良い」
「老化はミトコンドリアの衰えと関係している」
「美容やダイエットにも重要な役割を果たしている」
このような情報を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、ミトコンドリアは私たちが生きていくために欠かせない重要な存在です。
呼吸をすること、歩くこと、心臓を動かすこと、脳で考えること、食べ物を消化すること、さらには肌のターンオーバーや髪の成長まで、生命活動のほぼすべてにミトコンドリアが関わっています。
近年では、加齢によるミトコンドリア機能の変化と、健康寿命との関係について世界中で研究が進められています。また、認知症やパーキンソン病、糖尿病、心血管疾患、フレイル、サルコペニアなどとの関連についても研究が行われています。ただし、これらの疾患はさまざまな要因が関係して発症するものであり、ミトコンドリアだけが原因というわけではありません。
この記事では、「細胞とは何か」という基本から、ミトコンドリアの構造や働き、健康との関係までを、できるだけわかりやすく解説します。
細胞とは?
私たち人間の体は、およそ37兆個もの細胞からできています。
細胞は、生物の体をつくる最も基本的な単位です。
家を建てるときに一つひとつのレンガを積み重ねるように、人の体も無数の細胞が集まることでできています。
細胞にはさまざまな種類があり、その数は約270種類にも及ぶといわれています。
例えば、
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皮膚の細胞
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筋肉の細胞
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血液の細胞
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神経細胞
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肝臓の細胞
-
心臓の細胞
-
腎臓の細胞
など、それぞれ異なる役割を持っています。
同じ種類の細胞が集まることで「組織」が形成され、その組織が集まることで「器官」がつくられます。
例えば、
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筋肉の細胞が集まると筋肉
-
肝細胞が集まると肝臓
-
神経細胞が集まると脳
というように、体全体が形づくられています。
このように、一つひとつの細胞が協力しながら生命活動を支えているのです。
ミトコンドリアとは?
その細胞の中には「細胞小器官」と呼ばれる小さな器官が存在しています。
代表的なものには、
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核
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小胞体
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ゴルジ体
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リボソーム
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リソソーム
そして
ミトコンドリア
があります。
ミトコンドリアは、赤血球など一部の細胞を除き、ほぼすべての細胞の中に存在しています。
1個の細胞には数百個、多い細胞では約2,000個ものミトコンドリアが存在するといわれています。
特に大量のエネルギーを必要とする
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心臓
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脳
-
肝臓
-
腎臓
-
骨格筋
などには、多数のミトコンドリアが存在しています。
そのためミトコンドリアは、
「細胞の発電所」
とも呼ばれています。
ミトコンドリアの構造
ミトコンドリアは楕円形をした小さな細胞小器官です。
外側は「外膜」と「内膜」の二重構造になっており、内膜はヒダ状(クリステ)になっています。
このヒダによって表面積が広がり、効率よくエネルギーを作り出せる仕組みになっています。
内側には「マトリックス」と呼ばれる部分があり、エネルギー産生に必要な酵素や、ミトコンドリア独自のDNA(ミトコンドリアDNA:mtDNA)が存在しています。
このmtDNAは細胞核のDNAとは異なり、ミトコンドリア自身の働きを維持するために重要な遺伝情報を持っています。
ミトコンドリア最大の仕事はATPを作ること
ミトコンドリアの最も重要な役割は、生命活動に必要なエネルギーである**ATP(アデノシン三リン酸)**を作り出すことです。
私たちは食事から糖質や脂質、たんぱく質などの栄養素を摂取しています。
しかし、それだけでは体を動かすことはできません。
これらの栄養素を、呼吸によって取り込んだ酸素とともにミトコンドリアで利用することで、ATPというエネルギーへと変換しています。
このATPは、
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心臓を動かす
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呼吸をする
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筋肉を動かす
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脳で考える
-
内臓を働かせる
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体温を維持する
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細胞を修復する
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肌のターンオーバーを行う
-
髪を成長させる
など、あらゆる生命活動に利用されています。
つまり、人が生きていくために必要なエネルギーは、ミトコンドリアが作り出していると言っても過言ではありません。
私たちが絶えず呼吸をしているのも、酸素をミトコンドリアへ届け、ATPを効率よく産生するためなのです。
ミトコンドリアはエネルギーを作るだけではない
ミトコンドリアの役割はATPを作ることだけではありません。
近年の研究では、次のような重要な働きがあることも明らかになってきました。
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細胞内カルシウム濃度の調節
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熱を産生し体温を維持する働き
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活性酸素の産生と制御
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古くなった細胞を適切に除去するアポトーシス(細胞死)の調節
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免疫機能や炎症反応への関与
このように、ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場であると同時に、細胞全体の健康を維持するための司令塔のような役割も担っています。
次回(第2回)では、「加齢によってミトコンドリアはなぜ衰えるのか?」をテーマに、mtDNA・NAD⁺・マイトファジー・活性酸素・老化・健康寿命との関係を詳しく解説します
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